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自動車車体整備士ってなに? | 資格取得の方法や資格試験を紹介

2023年01月31日

「自動車に関わる職業に就きたい」「自動車車体整備士って何だろう」と自動車関連の就職を考えているけれど職種の違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では自動車車体整備士の仕事内容や資格の取得方法、資格試験内容を紹介しています。

自動車に関連する職業への就職、転職を考えている方、自動車の車体に興味がある方はぜひご覧ください。

自動車車体整備士ってなに? | 資格取得の方法や資格試験を紹介

自動車車体整備士の仕事内容を解説

自動車車体整備士は、車のボディやフレームについたキズやへこみの修復、コーティングなどを専門に行います。
板金や溶接、調色、塗装などの技術が必要になります。

自動車車体整備士は、特殊整備士の1種で国土交通省管轄の国家資格です。
更新の必要はなく、一度取得すれば永久資格保持者として扱われます。

履歴書記載で評価につながる就職先

自動車車体整備士の資格は主に自動車関連企業で活かせます。
会社によって「板金工・塗装工」などの名称で募集をかけている企業があります。

● 自動車整備工場
● 自動車板金・塗装工場
● 自動車カスタムショップ
● 自動車用品店

自動車関連企業のほかには、損害保険会社への就職にも資格は役立つでしょう。

似ていて異なる自動車整備士資格

自動車整備の資格には特殊整備士のほかに自動車整備士があります。
自動車整備士には1級から3級までの階級があり、階級によって技能レベルの難易度が上がります。

自動車整備士の主な業務は、自動車の機械部位、エンジンまわりの点検、整備、修理です。
自動車整備士も自動車車体整備士と同様に国土交通省管轄の国家資格です。
資格を持っていれば永久資格保持者となります。

自動車車体整備士資格取得の方法3つ

自動車車体整備士の資格を取得するには、下記3つの条件いずれか1つを達成している必要があります。

1. 実務経験を利用
2. 2級整備士課程を利用
3. 特殊整備士課程を利用

資格取得に必要な条件を確認しましょう。

実務経験を利用

自動車整備や機械関連の学校を卒業していない場合は、2年以上の実務経験を積むと受験資格が得られます。
実務経験と認定されるには、事業所や行った業務内容が国土交通省の規定に沿っている必要があります。

担当している業務が実務経験に該当するか気になる場合は、お住まいの運輸支局へ確認するとよいでしょう。

2級整備士課程を利用

2級整備士養成課程のある一種養成施設や認定大学校を卒業し、1年以上の実務経験のある方が受験対象となります。
また、職業能力開発大学校の産業機械工学科卒業の場合も同様に1年以上の実務経験が必要です。

「1.実務経験を利用」のように、実務経験は国土交通省の規定に従います。

特殊整備士課程を利用

特殊整備士養成課程を修了している場合は、実務経験の必要はありません。
自動車車体整備士課程のある一種養成施設や認定大学校の卒業が認められると検定試験の受験対象者となります。

また、決められた課程を修了すると実技免除の申請が可能です。
特殊整備士課程の利用は、最短ルートで自動車車体整備士の資格が取得できる方法です。

自動車車体整備士試験は2種類

自動車車体整備士の試験は2種類あります。

1. 国土交通省が主催の技能検定試験
2. 日整連盟が主催の技能登録試験

どちらの試験も「自動車車体整備士資格取得の方法3つ」で紹介した条件のいずれかを満たす必要があります。

1.国土交通省が主催の技能検定試験

国土交通省が主催している技能検定試験は、学科と実技の2種類の試験を行います。
学科試験合格者のみ、実技試験の受験が可能です。
学科試験を合格し、実技試験が不合格の場合、2年以内は学科免除で実技を受験できます。

技能検定試験は、学科と実技を合わせて7,200円の受験手数料がかかります。
また、学科または実技が免除となる場合の受験手数料は2,450円です。

2.日整連が主催の技能登録試験

一般社団法人日本自動車整備振興会連合会(日整連)が主催している技能登録試験は、学科と実技の2種類の試験を行います。
日整連の技能登録試験に合格すると国土交通省で行う検定試験が免除される仕組みです。
技能検定試験と同様に、学科合格者のみ実技試験の受験が可能です。

技能登録試験は年2回開催され、学科9,300円、実技14,000円の受験手数料がかかります。

自動車車体整備士の出題内容を紹介

自動車車体整備士の検定試験で出題される内容を学科と実技に分けて紹介します。
あらかじめ出題内容を知っておけば、試験対策につながります。
また、日整連のウェブサイトには学科の過去問が掲載されていますのでチェックしましょう。

1.学科の出題内容と合格条件

学科は以下の内容で出題されます。

● 構造、機能及び取扱法
● 点検、修理、調整及び完成検査の方法
● 整備用機械に関する初等知識
● 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法
● 材料の性質及び用法
● 図面に関する一般知識
● 保安基準そのほかの自動車の整備に関する法規

試験の点数は、1問1点で40点満点中28点以上の点数で合格となります。

2.実技の出題内容と合格条件

実技は以下の内容で出題されます。

● 基本工作
● 点検、分解、組立て、調整及び完成検査
● 修理
● 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱

実技はそれぞれの出題に対し40%以上の成績、40点満点中32点以上の点数で合格となります。

まとめ

自動車車体整備士は国土交通省管轄の国家資格であ、車体整備の技術者です。
資格を活かせる職場も多岐に渡り将来的に独立を目指せる職種といえます。
自動車に関する職業に就きたいと考えているなら、自動車車体整備士も候補の1つに入れてみてはいかがでしょうか。